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特定技能とは

 ここでは、2019年4月から施行が予定されている新しい在留資格である「特定技能」についてご説明しています。

在留資格「特定技能」創設の背景

空前の人手不足

厚生労働省発表の2018年9月の有効求人倍率は全国で1.64倍という高い値を示しました。また、新規求人数に対して就職が決定した割合を示す「充足率」は、18年9月で13.3%であり、おおよそ7〜8件の求人に対して1件しか就業者が決まらないという企業側にとって厳しい現状を示しています。また、有効求人倍率、充足率ともにこの数年、求人側にとって厳しくなる一方です。すでに日本の求人難は、バブル期の水準をも大きく上回り、もはや高度経済成長期並みとなっています。この傾向は、高齢化社会の進展に伴いますます強くなることが予想されています。

特に求人難にあえぐ業種

このような状況の中でも「建設」「介護」「宿泊」「外食」といった業界は特に求人難に苦しんでいます。厚生労働省発表の業種別有効求人倍率を見ても、「建設・採掘の職業」は4.99倍、「介護サービスの職業」は4.16倍、宿泊、外食業界を含む「接客・給仕の職業」は3.92倍の高い値を示しており、こういった業界においては、早急に有効性のある対策が求められていました。

閣議決定

このような深刻な人手不足を解消するために、これまで国策として受入なかった現場労働者を受け入れる仕組みを構築することが2018年6月15日に「経済財政運営と改革の基本方針2018(骨太の方針2018)」の中で閣議決定されました。

これには「生産性向上や国内人材の確保のための取組(女性・高齢者の就業促進、人手不足を踏まえた処遇の改善等)を行ってもなお、当該業種の存続・発展のために外国人材の受入れが必要と認められる業種において行う」といった受入業種を選択する考え方や、外国人材に求める技能レベルや日本語レベル、外国人材支援と在留管理の方法などといった方針が盛り込まれています。

また、2018年11月2日には、出入国管理法改正案が国会に提出されました。これは、「骨太の方針2018」に盛り込まれた外国人労働者の受入を拡大するという方針に基づいたものとなり、法案ではこれまで認めてこなかった単純労働分野への就労を目的とした新たな在留資格「特定技能」が創設されることになっています。

以下、本ページでご説明する在留資格「特定技能」は本法案に基づいたものになります。

在留資格 特定技能

新たに創設される在留資格「特定技能」は以下のような特性をもっています。

単純労働が可能

これまで外国人労働者は一定の「技術若しくは知識を要する業務」(コンピューター技術者など)、もしくは「熟練した技能を要する業務」にのみにしか就労することが許されておらず、建設現場やウェイトレス、ホテルでのルームメイキング、農業、漁業、製造業などの単純労働分野への就労は認められていませんでした。「特定技能」資格のカバーするものはまさにこのような分野になります。

1号と2号の2種に

本資格は1号と2号に分かれます。

1号は「相当程度の知識又は経験を要する技能を要する業務に従事する外国人」向けの資格です。エントリレベルの資格と考えて結構です。

2号は「熟練した技能を要する業務に従事する外国人」向けの資格となります。1号よりも高いレベルの外国人労働者に適用されます。

対象業種

受入可能業種が指定されています。

1号については「建設業」「宿泊」「農業」「介護」「造船」「ビルクリーニング」「漁業」「飲食料品製造業」「外食業」「素形材産業」「産業機械製造業」「電子・電気機器関連産業」「自動車整備業」「航空業」の14業種が対象となる予定です。

2号については当面「建設業」「造船」の2業種が対象となる予定です。(11/14報道により変更)

「介護」については2号対象となっていませんが、2号相当の在留資格として「介護」が平成28年に創設されましたので、その在留資格を用い運用します。

これらの対象業種については、出入国管理法改正後に省令で定められます。

要件

従来の在留資格では学歴や、実務経験の有無が問われていましたが、「特定技能」資格にはそのような要件はありません。

ただし、学歴要件、実務経験要件に代わり、ある程度日常会話ができ、生活に支障がない程度の日本語能力を有すること、各業種で設けられる技能水準に満たすことが要件となっています。

日本語能力要件を満たすことを証明するためには、受入分野ごとに業務上必要な水準を考慮して定められる試験等によって確認します。

技能要件を満たすことを証明するためには、各業所轄省庁が定める試験等によって確認します。

「技能実習2号」を修了した者は上記試験等が免除されます。

家族帯同・在留期間

1号については、家族の帯同は基本的に認められません。また通算で5年が上限になります。

2号については、1号のような制限はなく、条件を満たせば永住許可申請もできるようになります。

1号外国人に対しての支援

1号に対しては、本邦での活動を安定的・円滑に行うことができるようにするための日常生活上,職業生活上又は社会生活上の支援を行うこととされています。

支援は受入れ機関(外国人を受け入れた企業等)又は登録を受けた登録支援機関(外国人と外国人を受け入れた企業をサポートする組織)が実施することとなっています。

特定技能2号への移行

業所管省庁が定める一定の試験に合格する等で移行が可能となります。

転職について

許可された活動の範囲内での転職は認められます。

雇用形態

原則として直接雇用となります。(ただし農業と漁業に関しては派遣形態も可能としています)

次は特定技能の運用方針についてをご覧ください。

Author: tokuteiginou